かえるの日記

「ミルク壺に落ちたカエルは必死になって脚を動かしました。するとミルクはバターになって、カエルは外に出ることができました。」 でも、落ちたらそのまま浮かんでて、おなかすいたらミルク飲んで待ってたら、だれかがミルクを飲むために壺を傾けてくれるかも?

隠れた目的

外反母趾の治療が始まった。
一応、約半年のコースで、はじめは週一回、その後だんだん間隔を伸ばしてゆく。

昨日は立ち方の復習をした後、少し施術があった。脚や足を曲げたり伸ばしたり、少しねじったり。。。 不思議なことに、そうして動かしていただいた後は、前回もそうだったが、股関節や膝の可動域が大きくなるのだ。不思議なことこの上ない。

そして今日は、「脚の内側の筋肉の力をつけるトレーニング、やりますか?」と聞かれた。なかなか上手に目標の一致をとってくるじゃないか。

私はずっと以前から足首が不安定で、左右どちらも、足を内側にねじってこけてしまうことがある。バレエでポワントで立つときにもそれが影響して(10年間以上ポワントレッスンを休んでたので単に筋肉が弱くなってたってのもあるけど)若い頃よりもしっかり立ちづらくなっていて、「足首弱いな~どうしたら強くなるかな~」とちょうど思っていたところだったのだ。外反母趾の治療、という名目で来ているが実を言うと、同時に足首を強くしてポワントでもっと自由に踊れるようになりたい、という、隠れた目的も持っているのである。

なので、「はい!やりたいです!」と力を込めて返事をした。

それで、いくつかのトレーニングを教えていただいた。実際そんなに手間のかかるものではない。一通りのトレーニングを教わって最後に先生がおっしゃることには。
「これ毎日やってください。」

そうか、やっぱり。。。
今度は返事に詰まった。
元来なまけもので、できるだけ楽にいろいろやりたい私としては、なかなかきびしいじゃないか、と思う。外反母趾を治すという目標が一致したわけなので、先生も容赦なく課題を出してくるのだろう。

もちろんトレーニングをするのもしないのも、どちらを選ぶのも私の自由だ。だが、やれば筋力はつくし、やらなければ筋力はつかない。それなら、なんのために通ってるの?ということになる。

先生は決して無理なことをおっしゃっているわけではない。たぶん、お気に入りのニュース解説動画を見ている間にできるくらいのゆるゆるのトレーニングなのだ。
それになによりも、これをやればポワントでしっかり踊れるようになりそうである。

一瞬ためらったが私は、「はい」と返事をした。
外反母趾を治すことももちろん素敵だが、それによってバレエがもっとできるようになりたいという隠れた目的の方が、動機としてはどうやら強いらしい。


カウンセリングで、まずクライエントのざっくりとした目標を聞いておくことがある。クライエントがさしあたっての問題を解決した結果として実現したいことを、クライエント自身に考えて語ってもらうことは、カウンセリングに積極的に参加してもらうために、なるほど大きな意味が出てくるのだ、と納得した。

『パセージ』の最初に出てくる「子育ての目標」も、まさにこれだ。

治療目標をしっかり一致させることはとても大切だ。さらに、目標を達成してどうなりたいのか、そのもう少し先のイメージがしっかりあることが、治療のためにけっこう重要なんだね、と思った。