かえるの日記

「ミルク壺に落ちたカエルは必死になって脚を動かしました。するとミルクはバターになって、カエルは外に出ることができました。」 でも、落ちたらそのまま浮かんでて、おなかすいたらミルク飲んで待ってたら、だれかがミルクを飲むために壺を傾けてくれるかも?

ミニマルコレクション

外反母趾の治療に整体院へ通い始めて3週間が過ぎた。教わった立ち方や歩き方をできる限りやっているつもりだが、この前先生に「まだ体が前に出てますよ」と言われた。この治療の歩き方は、体重を後ろにある足に乗せたまま、反対の脚側の腸腰筋(腰椎から出て大腿骨に止まる筋肉)を使って膝をあげその足の踵を地面につけながら進む。体よりも脚を先に前に出すという歩き方なのだ。大変芸当的である。しかしこの歩き方が正しくできると、足趾に力がかからずに歩けるのだ。したがって、それまで大変負担がかかって外反母趾になっている足趾を休めることができる。痛みが激しい人はこれだけで痛みが和らぐだろう。

教わった筋トレもまずまずやっているつもりではあるのだが、施術で筋肉にそっと触れただけで先生は「まだこの下腿内側の筋肉が弱いですね。」とおっしゃる。アドラーやってない人だから、よい面ばかり言うわけではない。まあね。頑張るもんね。いやそれでも結構勇気づけになっているな。

とはいえこの間、かなりうれしく驚いたことがあった。バレエのレッスンで、バランスがとりやすくなったのだ。例えば、ピケ・アラベスクという動き(アラベスクというポーズに立つ動き)がある。準備の姿勢から、片脚を床に突き刺すようにしてつま先で立ち、もう一方の脚を後ろに上げる。いろいろな踊りに出てくるし、レッスンの時にこれをやらない日はないくらい、あらゆるところで出てくる動き(ポーズ)である。先週のレッスンの時に、このピケ・アラベスクが非常に安定して立てたのだ。以前は音の分いっぱい立っていることができず、半分くらいで踵を落としてしまっていた。それが、先日はとてもしっかり立つことができた。一回だけでなく、同じ動きをするときにはだいたい安定して立てたのだ。これはすごいことだ。

たぶん、治療を始めたことが奏功しているにちがいない。

私が受けている整体の施術は、マッサージのように筋肉をほぐすでもなく、関節をボキボキやったり極限まで脚の曲げ伸ばしをしたりすることもまったくない。ただ関節や筋肉に触れながら無理ない範囲で脚を動かしてくださる。私はただ力を抜いて、先生が脚を動かしてくださるに任せる。それだけで、関節の可動域が大きくなったり、使っていなかった筋肉の存在がつかみ取れたりするのだ。本当に不思議だと思っていた。
それで、この前行った時に、歩き方の練習の一環で骨盤を少し外側にねじるような動きをやった。難しかった。先生は「これは今すぐにできなくてもいいです。もう少したったらまたやります。今、筋肉に仕込んでおくとそのときにやりやすいので。」とおっしゃる。

なるほど。ゴリゴリやる必要はないんだ。動かすべきところを正しくちょとだけ動かすことで、使われるべき筋肉を目覚めさせてやる。そうすると、目覚めた筋肉が必要な時に働いてくれるようになってるのか。

以前カウンセリングの講座で野田先生から教わったことを思い出した。「ミニマルコレクション(最低限の修正)」というのだ。
クライエントがカウンセリングを受けに来る。カウンセラーはクライエントのエピソードを聞いて、そのエピソードの中でクライエントがやってることの、どこをさわれば今後の人生でも使えるかを見つけ出し、そこをさわる。そうすると、カウンセリングに来た後、次の回までに少し状態がよくなる。そうして続けていくと、クライエントの問題解決力は直線的にではなく、カウンセリングに来るたびごとにさらに大きく改善の方向へ向かうという。

整体も同じで、整体師は患者の関節や筋肉のどこをどのようにさわるとその人の体がうまく動くようになるのか見つけ出し、そこを少しだけさわるのだろう。あとはその人自身の力で、本来あるべき状態に向かってくれると信じているのだ。

人が本来もっている力を信じてそれを使う。

こういう考え方が、私は好きだ。

よい先生に巡り会えるカルマが私にはあるようで、とてもうれしい。


ピケ・アラベスクの動画を貼っておきます。ご参考まで。

www.youtube.com